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DNAの修復機構 ヌクレオチド除去修復について

DNAの修復には複製時の修復と二重らせん構造の損傷時の修復の2種類がある

 

複製時の修復

  • 校正修復
  • ミスマッチ修復

二重らせん構造の修復

 

二重らせん構造の修復

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ヌクレオチド除去修復はDNAの安定構造である二重らせん構造が損傷したときに起こる修復の一つ。

DNAの損傷時の修復には塩基除去修復とヌクレオチド除去修復があり、ヌクレオチド除去修復はその中でも大きな損傷である、紫外線による損傷(紫外線によるピリミジンダイマー(チミン二量体、シトシン二量体)の形成)やシスプラチン等の化学物質による塩基付加体を除去する機構である。

 

紫外線の影響→ピリミジン二量体の形成

ピリミジン二量体の形成の修復→ヌクレオチド除去修復

 

ヌクレオチド除去修復の異常→ピリミジン二量体形成の修復ができない→色素性乾皮症(そばかすやシミが増加)、修復機構が働かないためがん細胞の形成が止められない→皮膚がんのリスクが1000倍

 

 

 

ヌクレアーゼ核酸分解酵素、つまりはDNAやRNAを切断するハサミの役割

分類としてエンドヌクレアーゼとエキソヌクレアーゼがある。

 

エンドヌクレアーゼ:ピリミジン二量体を認識して切断除去する際に特異的に作用する核酸分解酵素

 

エンドとは内部(↔エキソ外部)を表し、核酸配列の内部で核酸を切断する

つまり端(3’や5’)からでなく、DNA(RNA)鎖の間を切り取る。

塩基除去修復やヌクレオチド除去修復はエンドヌクレアーゼによる修復といえる。

 

 

エンドヌクレアーゼの一つに制限エンドヌクレアーゼ(制限酵素)つまりは塩基を切断するハサミがある。

エンドヌクレアーゼ≒制限酵素

 

二重らせん構造の修復の大まかな流れ

①DNAヘリカーゼによって損傷部位の鎖をほどく

②DNAエンドヌクレアーゼによって切断

③除去された部位のDNAをDNAポリメラーゼにより合成

④合成した損傷部DNAを除去部に挿入し、DNAリガーゼにより連結

⑤修復完了